考察2 勧誘用の「ダミーサークル」の特徴

 摂理の主要な勧誘方法の一つに、勧誘目的で作られており、かつそれと悟られないように違う目的を掲げているようなサークル、所謂「ダミーサークル」を用いる方法があります。電通大内でもそのようなサークルはいくつかあったようです。他の大きな大学では、ターゲットにした人ひとりのためにダミーサークルを複数人によって立ち上げられたというケースもありました。論文にも記載があります((櫻井 義秀 キャンパス内のカルト問題-学生はなぜ「摂理」に入るのかー p133 高等教育ジャーナルー高等教育と生涯学習ー15(2007))) ただ、電通大のような小さい大学だと、このような真似をするだけの規模もないでしょうし、またやってしまえばかなり目立ってしまうので、恐らく、一人にターゲットを絞ってダミーサークルを作るような真似をする可能性は低いでしょう。

 僕はこの摂理と少しだけ関わっていたおかげで、摂理のダミーサークルの特徴について、いくつか思い当たる点があります。ここではそれについて述べ、考察していこうかと思います。

 結論から言えば、以下のキーワードを含むようなことをうたっているサークルです。

「他大学の人や、社会人と交流できる(交流を打ち出している)」

「成長できる、次元の高い考えを学べる(自己啓発的)」

”聖書的”な言い回しを用いる傾向がある」

 これらについて少し解説します。

 

・「他大学の人や、社会人と交流できる(交流を打ち出している)」

 これは、ここで示している「他大学の人」「社会人」というのは、摂理の信者のことです。いろんな人と交流できるよ!ということをうたっていても、内実は宗教の信者だけでの交流であり、広い交際に見せかけて、実は内輪の人間だけの狭いものです。

 そもそも、他大学の人と付き合いがあるのなら、~大とインカレを組んでいます、というのが普通です。そのあたりをあいまいにしているようなところが、ダミーサークルと揶揄される所以にもなるかと思います。

「成長できる、次元の高い考えを学べる(自己啓発的)」

 これらの言葉に限りませんが、とにかく自己啓発的なことを言っているようなところには注意が必要です。摂理に限らず、他の宗教勧誘をするような宗教は大概そうなのですが、教義そのものが啓発的なものになっていることがとても多いです。(宗教というものが担う役割がそもそも自己啓発だからだと思われますが…)「次元の高い考えを学べる」などとあからさまに言うことは恐らくないかと思われますが、そのような啓発的なことをうたうサークルには十分注意するべきでしょう。

”聖書的”な言い回しを用いる傾向がある」

 例えば、「目標」ではなく、「ミッション」「使命」ということなどです。missionとは元々キリスト教の伝道をすることなどを指して使われていたりしたことがあるようです。彼らは当然キリスト教めいたものを信じ、”そればっかり考えて”日々生活しておられるようなので、そのような言い回しを好む傾向があるように考えられます。

 

 以上が考えられ得るダミーサークルの特徴になるかと思われます。このような形だけのサークルは、当然ですが長続きするものではなく、また新しくでき続けるものであるので、主な勧誘のターゲットとなる層は、まだ入学したばかりで大学生活がよく分かっていない新入生の人たちであることは明らかでしょう。大学生、特に新入生の方々は今後このようなサークルに勧誘される可能性は十分にあると考えられますので、気を付けましょう。

 

 また、補足ですが、電通大における今後のダミーサークルによる勧誘について、少し思うところがあるので、それを少し述べたいと思います。

 ダミーサークルはよく作られていたように思われるのですが、2018年度に作られた(UEC18が入学したころともいえますね)「グローバルカフェ」がかなりあからさまなものであったので、結構多くの人に怪しまれていたという事実があります。そのためかどうかは分かりませんが、2019年度(UEC19)のときには、もう少しちゃんとしたサークルを作っていたようです。このような経緯を考慮すると、あからさまに怪しいサークルを作る可能性は、恐らく低いのではないかと考えられます。

 ただし、信者の世帯が代わり、違う人がサークルづくりをし始めたりするようになれば、この限りではないとも考えられます。僕と関わっていた電通大の信者たちはそろそろいなくなる頃であると推測されますので、いずれにしろ注意は必要であるものと考えられます。